著作権規程Q&A


このQ&Aは著作権規程を説明したものです。

今後、加筆・修正を行ってよりわかりやすくする可能性があります。

 

Q: どうして著作権規程が必要なのですか?

A: 社会的に著作権をめぐる問題が注目されていますので、これまで慣例として処理していたものを明文化し、トラブルを未然に防ぐことを目的としています。電子的な公開に関しては、著者本人が利用しやすくなるように規程を作成しています。

 

Q: これまでと比べて、何か著者に制限は加わるのでしょうか?

A; 原則として、新たな制限はありません。学会誌掲載論文を自著に転載する場合には、これまで慣例として、著者が学会に対して許諾を求めておりました。以前は、許諾を得ないまま転載された方もおられるかもしれません。そういう方にとっては、手続きが必要になりますので、面倒に感じられるかもしれません。

 

Q: 学会誌に掲載された自分の論文を、自著に転載する場合はどうしたらいいですか?

A: 学会に簡単な書類を提出することで、手続きは終了します。学会は、特に支障がない限り、著作物の利用に関して許諾を与えることが明記されています。手続きを容易にするため、学会ウェブサイトに必要な書類を掲載することを検討しています。

 

Q: 自分の論文を、自分のウェブサイトや、自分が所属する機関のウェブサイトあるいは機関リポジトリで公開することはできますか?

A: できます。許諾手続きは必要ありません。学会誌をスキャンしたものや、PDFにしたものを公開できます。ただし、出典は明記してください。

 

Q: 自分の論文を、ウェブサイトや機関リポジトリで公開する場合、どの段階の原稿を公開できますか?

A: 一般に、学会誌に印刷された状態のものを「出版社版」などと表記することがあります。本学会では、特にどの段階の原稿から公開してよいなどという制限をしておりません。したがって「出版社版」を公開することに問題はありません。学会誌のPDFファイル、学会誌をスキャンした画像をそのまま掲載することが可能です。また、最終原稿提出時の電子ファイル(ワードプロセッサで作成したファイルなど)を公開することもできます。出典は明記してください。最終原稿と異なる原稿(査読前の原稿など)を公開することも可能ではありますが、学会誌に掲載されたものと内容が異なる場合には混乱が生じますので、おすすめできません。

 

Q: 学会が、論文の内容を勝手に加工したり、修正することはありますか?

A: そのようなことはありません。著作権は、著作財産権と著作人格権からなり、著作人格権は譲渡できませんので、論文執筆者が所有しています。論文を勝手に修正することは、著作人格権を侵害する行為ですので、法律上認められません。そのような必要がある場合には、学会は論文執筆者に許諾を求めます。出版にあたっての形式的な体裁の統一など、内容に直接かかわらない修正を行うことはあります。

 

Q: 投稿中(採択前)の論文を、他の学会等の学術雑誌に投稿することはできますか?

A: 二重投稿になりますので、倫理的に認められません。そのため、倫理ガイドラインでも禁止しています。二重投稿は、著作権の問題も生じます。一つの論文の著作権が、複数の学会に帰属する形となりえるからです。他の学会等に投稿する際には、本学会への投稿を取り下げてください。投稿取り下げを行った時点で、本学会は著作権を執筆者に返還します。不採択になった場合も、著作権は返還されます。

 

Q: 学会発表した研究を、他の学会の学術雑誌に投稿することは認められますか?

A: 一般的に、学会発表における予稿は、研究の途中経過と考えられています。厳密にいえば、予稿を提出した時点から予稿の著作権は学会に帰属します。その後に他の学会誌などに投稿する場合、予稿の著作権は本学会に帰属し、投稿論文の著作権は他学会に帰属することがあり得ます。ただし、論文を投稿した他学会に対して、本学会は著作権を主張することは行いません。それは、学会発表が研究の途中経過に過ぎないという立場からです。しかし、予稿を大会論文集に掲載するためには著作権の処理が必要ですので、予稿の著作権は学会に帰属する形にしています。

 

Q: 自分の論文を自由に配布できなくなることはありますか?

A; 論文の抜き刷りを配布することに特に制限はありません。論文をスキャンして電子ファイル化すること、電子ファイル化されたものを自身のウェブサイトに掲載したり、自分の所属する機関のウェブサイトや機関リポジトリで公開することは、出典を明記すれば、学会の活動に支障がない限り、特に制限することはありません。自分の論文の抜き刷りをコピーして配布することや電子メールで送付することなどは、規程上は明記していませんが、本規程の趣旨は、著作者本人による著作物の利用を妨げるものではありませんので、本学会の活動に支障がない限り、学会が禁止を求めることはありません。

 

Q: この規程はどの論文から適用されますか。

A: 2011年10月10日以降に投稿された論文より適用されます。なお、施行日以前の論文については、必要に応じて、著者に許諾等を文書で求めます。

 

Q: 自分の書いた論文を多くの研究者に知ってほしいと思っています。学会誌掲載論文を各種のデータベースで公表してもらえますか?

A: 既にいくつかのデータベースには、書誌情報(タイトル、著者名、出版年、雑誌名、巻号、ページ数など)が収録されています。これらは今回の著作権の規程とは直接関係なく、また本学会が関与しているものではありません。いわゆる「フルテキスト」(論文の本文を含めた全体)が収録されたデータベースはありません。フルテキストのデータベースへの収録については、今後検討していきます。今回の改正により、執筆者本人が、自らのウェブサイトや、所属機関のウェブサイト、機関リポジトリなどにフルテキストで論文を公開することが容易になりました。まずは、執筆者自身が論文を公開されることをおすすめします。現在では、検索エンジンの発達により、データベースに登録されていなくても、検索サイトから論文を見つけることが容易になっています。

 

Q: これから、論文がすべての人にインターネット上に公開されるようになるのでしょうか?

A: 現時点では、著者本人が希望する場合にのみ論文公開が可能です。他の学会では、過去に出版された論文も含めて、すべての論文をインターネット上などで公開しているところもあります。しかし、過去に書かれた論文の中には、インターネットなどで不特定多数の人が閲覧できることを前提としていないものもあると思われます。現段階では、過去の論文についても、これから投稿される論文についても、一律に公開することは想定しておりません。公開が必要な場合には、十分な議論を行ったうえで、総会での承認を求めたいと考えております。